PERSONAL GYM / PROFIT
パーソナルジムの利益率は約30%|月間収支モデルで原価構造を分解
パーソナルジムの利益率は、営業利益率で約30%が目安です。在庫を持たず少人数で運営できるため、飲食店など他業態より利益率は高めに出ます。ただしこの数字は、会員を安定して埋められることが前提です。会員30人・月会費25,000円のモデルケースで収支を分解し、損益分岐点と利益率を左右する要因を業界平均で確認します。
- 営業利益率
- 約30%
- 月商(モデル)
- 75万円
- 営業利益(モデル)
- 24万円
- 損益分岐点
- 約19人
監修: 山本貴大(店舗マーケティング専門家) / 公開日: 2026年6月1日
結論:営業利益率は約30%、ただし稼働率が前提
パーソナルジムの営業利益率は約30%が業界平均の目安です。トレーニングジムは商品在庫を持たず、1店舗をトレーナー1〜2名で運営できるため、売上に対して残る利益の比率は高めに出ます。一方で、売上の大半はトレーナー1人あたりが担当できる会員数(約30人)で頭打ちになるため、稼働率を埋められないと固定費が利益を食いつぶします。
パーソナルジムの収益構造の全体像は パーソナルジムのビジネスモデル にまとめています。ここでは利益率と原価構造に絞って分解します。
月間収支モデル(会員30人・月会費25,000円)
15坪・トレーナー1名運営を想定したモデルケース。立地・人員体制・単価設定で実数は変動します。
- トレーナー人件費 オーナー報酬・業務委託を含む
- ▲¥250,000
- 家賃 15坪・準都心の目安
- ▲¥120,000
- マシン償却 導入180万円を5年で按分
- ▲¥30,000
- 水道光熱費 空調・シャワー含む
- ▲¥30,000
- 集客広告費 Web広告・MEOの月額
- ▲¥50,000
- その他 消耗品・通信・決済手数料
- ▲¥30,000
- 費用合計
- ▲¥510,000
オーナー1人で運営する場合、トレーナー人件費の一部はオーナー自身の報酬になります。そのため、オーナー個人の手取りは営業利益24万円に役員報酬分を加えた金額になります。オーナーの年収の考え方は パーソナルジムオーナーの年収 で解説します。
損益分岐点は約19人
集客広告費を除く固定費は約460,000円。これを月会費25,000円で割ると、損益分岐点はおよそ19人です。会員30人のモデルケースでは、約19人で固定費を回収し、残り約11人分の会費が利益の源泉になります。
固定費(月)
約460,000円
人件費・家賃・償却・水光熱・その他
月会費
25,000円
モデルケースの単価
損益分岐会員数
約19人
固定費 ÷ 月会費
利益率を左右する3つの要因
FACTOR 1
客単価(月会費)
目安: 18,000円以上が目安
業界平均の客単価は約18,000円。マシン特化型の低単価帯から、完全個室・栄養指導付きの高単価帯まで幅があります。単価を上げるほど少ない会員数で同じ売上に届き、利益率は高くなります。
FACTOR 2
稼働率(トレーナー1人あたり会員数)
目安: 約30人/人が分岐
トレーナー1人で担当できる会員数は約30人が目安。セッション枠が埋まらないと人件費だけが先行します。逆に1枠の稼働を高め、1人で30人前後を回せると人件費比率を抑えられます。
FACTOR 3
人件費比率
目安: 33%以下に保つ
売上に占める人件費の比率が利益率を最も大きく動かします。オーナー1人運営なら比率は下がり、雇用トレーナーを増やすほど上がります。業界平均は約33%で、ここを超えると営業利益率30%の維持が難しくなります。
利益率が崩れる典型パターン
「パーソナルジムは儲からない」と言われる背景には、利益率が崩れる共通の構造があります。いずれも会員の稼働と継続を埋められないことが起点です。
-
稼働率不足(会員20人未満)
損益分岐点の会員数を下回ると、固定費だけが毎月残ります。開業初期の集客が遅れると、この状態が数か月続いて資金が削られます。
-
解約率の上昇(継続率80%割れ)
月次継続率が80%を下回ると、毎月の新規獲得で穴埋めし続ける構造になります。新規獲得コストがかさみ、集客広告費が利益を圧迫します。
-
人件費比率の悪化
会員数が伸びないままトレーナーを増やすと、人件費比率が40%を超えて営業利益率が一気に落ちます。雇用は稼働率の改善を確認してからが原則です。
よくある質問
- Q. パーソナルジムの利益率はどのくらいですか?
- 営業利益率で約30%が目安です。会員30人・月会費25,000円のモデルケースでは、月商75万円に対して営業利益が24万円程度になります。在庫を持たず少人数で運営できるため、飲食店など他業態より利益率は高めに出やすい業態です。
- Q. パーソナルジムは儲かりますか?
- 会員数と継続率しだいです。トレーナー1人で会員約30人、月次継続率約80%を維持できれば営業利益率約30%が見込めます。一方で会員が20人を下回ると固定費を回収しきれず、赤字になりやすい構造です。
- Q. 利益率を上げるにはどうすればいいですか?
- 客単価・稼働率・人件費比率の3つが鍵になります。客単価18,000円以上、トレーナー1人あたり会員30人前後、人件費比率33%以下を目安に設計すると、営業利益率30%前後を狙えます。
- Q. 損益分岐点の会員数は何人ですか?
- モデルケースの固定費約46万円を月会費25,000円で割ると、約19人が損益分岐点です。会員30人のうち約19人で固定費を回収し、残りの会費が利益の源泉になります。
- Q. パーソナルジムが「儲からない」と言われるのはなぜですか?
- 稼働率不足・解約率の上昇・人件費比率の悪化が主な理由です。立地と集客の設計を誤ると会員が集まらず、固定費だけが残ります。利益率の高さは、会員を安定して埋められることが前提になります。
データ出典・注記
- 客単価・利益率・人件費比率は、経済産業省「特定サービス産業実態調査」、矢野経済研究所のフィットネス産業レポート、業界誌 Fitness Business の公開データを 2026年5月時点で集約した業界平均の目安です
- 月間収支は15坪・会員30人・月会費25,000円のモデルケースで、立地・人員体制・単価設定により実数は変動します
- 営業利益はオーナーの役員報酬の取り方により手取りベースで変わります。オーナー個人の年収は別記事で解説します