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FUNDING / 開業資金

ジム開業資金はいくら?業態別の費用相場と内訳・調達法

ジムの開業資金は、自宅・マット中心の数十万円から、マシンを揃えた24時間ジムやフランチャイズの数千万円まで、業態で大きく変わります。平均値ではなく、自分の業態のレンジから逆算するのが資金計画の出発点です。業態別の資金レンジ、開業資金と運転資金の分け方、自己資金・融資・補助金・リースの組み合わせ方、そして進める順番までを俯瞰します。

個人開業
数十万円〜
マシン型
数百万〜数千万
FC・24h型
1,000万円〜
自己資金の実態
調達額の2割強
公庫融資先の実績平均。審査基準ではない

監修: 山本貴大(店舗マーケティング専門家) / 公開日: 2026年6月4日 / 数値はモデルケース・目安

目次
  1. 業態別の資金レンジ
  2. 開業資金と運転資金
  3. 調達手段の組み合わせ
  4. 発注までの段取り
  5. 新規開業の資金実態
  6. よくある質問
  7. データ出典・注記

業態で資金の桁が変わる|まず自分の業態のレンジを見る

ジムの開業資金は「いくらかかるか」を平均値で語っても役に立ちません。自宅やレンタルスタジオで始める形態と、マシンを並べた24時間ジムやフランチャイズとでは、必要額が10倍以上ひらくからです。資金計画は、業界全体の平均ではなく、自分が選ぶ業態のレンジから逆算して立てます。まずは下の早見表で、自分の業態がどのあたりに位置するかをつかんでください。

業態 開業資金レンジ 特徴
常温ヨガ 30万円〜800万円 個人開業・少資本
パーソナルジム 300万円〜800万円 高単価・少人数指導
キッズスポーツ 300万円〜5,000万円 月謝制・継続需要
キックボクシング 500万円〜2,500万円 指導者依存・男性中心
EMS・加圧トレーニング 500万円〜1,500万円 短時間・高単価
インドアゴルフ 500万円〜3,500万円 FC活発・成長市場
ピラティス 800万円〜4,000万円 女性層・成長市場
ストレッチ専門 800万円〜2,000万円 デスクワーカー需要
女性専用サーキット 1,000万円〜2,000万円 シニア女性・地域密着
シニア健康増進 1,000万円〜5,000万円 シニア・地域密着
自費リハビリ 1,000万円〜3,000万円 理学療法士・自費
コンビニジム 2,000万円〜3,000万円 複合エンタメ型・FC急拡大
24時間ジム 3,000万円〜1億円 無人運営・FC加盟主流
格安24時間ジム 3,000万円〜8,000万円 chocoZAP対抗軸
ホットヨガ 3,000万円〜8,000万円 女性中心・FC加盟主流
暗闇フィットネス(スタジオサイクル) 3,000万円〜8,000万円 都市型・女性人気
総合型フィットネスクラブ 5億円〜20億円 大手中心・新規参入限定

レンジはあくまで業界目安です。費目ごとの金額内訳と、その業態ならではの調達の組み方は、各業態の開業資金ページで具体的に解説しています。 パーソナルジム、 ピラティス、 24時間ジム など、自分の業態のページから読み進めてください。市場全体の動向は市場データでも確認できます。

開業資金と運転資金は分けて見る|二層で必要額をとらえる

必要な資金は「開業時に一度だけ出ていくお金」と「開いた後に毎月出ていくお金」の二層でとらえると、見落としが減ります。業態が違っても、この二層の考え方は変わりません。初期投資ばかりに目が向きがちですが、立ち上げを生き残らせるかどうかは、後者の運転資金を残せているかで決まります。運転資金をどれだけ持つべきかは、黒字化に必要な会員数に届くまでの月数で決まります。その会員数がどう決まるかはジム経営の収益構造で解説しています。

開業資金(一度きりの初期投資)
物件取得・内装・マシン・予約や決済のシステム導入など、開業時に一度だけ出ていくお金です。業態でいちばん桁が変わるのがこの部分で、自宅・マット中心なら数十万円、マシンを並べる業態やフランチャイズでは数千万円規模になります。費目ごとの金額は業態で大きく違うため、各業態の開業資金ページで内訳を確認してください。
運転資金(黒字化までの体力)
開いた翌月から、会員が定員に届く前から、家賃・人件費・水道光熱費は毎月出ていきます。集客が軌道に乗るまでの数か月を持ちこたえるための資金が運転資金です。初期投資を切り詰めても、ここを薄くすると黒字化の手前で資金が尽きます。固定費の数か月分を、開業資金とは別枠で手元に残すのが原則です。

自分の業態で開業資金と運転資金がそれぞれいくらになるかは、開業資金シミュレーターで試算できます。

調達は組み合わせで設計する|手段の性質と向く費目

資金は一つの手段で丸ごと賄うものではありません。返済不要の自己資金を土台に置き、足りない分を創業融資で補い、補助金やリースを費目に応じて重ねていきます。手段ごとに性質と向く費目が違うので、その違いを押さえたうえで組み合わせます。

手段 性質 向く費目
自己資金 返済不要。土台になるお金 全費目の頭金・運転資金の備え
創業融資(日本政策金融公庫など) 返済あり。創業期に最も使われる主財源 物件・内装・マシンなどまとまった設備資金+運転資金
補助金・助成金 返済不要だが原則あと払い・採択は保証されない 広告・IT導入・販路開拓など上乗せの費目
リース・割賦 返済あり。初期の現金支出を後ろ倒しにする マシン・機器など金額の大きい設備
自己資金:公庫の融資先の調査では調達額の22.9%が自己資金(審査基準ではなく実績の平均)。厚いほど借入が減り、毎月の返済に余裕が生まれる
創業融資(日本政策金融公庫など):設備資金と運転資金を分けて申請するのが基本。審査の進め方は各業態の開業資金ページで
補助金・助成金:設備の主財源にはせず、融資を主軸に据えたうえで上乗せに使う。制度の中身は補助金ページで
リース・割賦:総額では割高になりやすい。手元現金を温存したいときに、回収計画と照らして使う

融資の審査で何を見られるか、必要書類や申込から実行までの段取りは、業態ごとに事情が違うため各業態の開業資金ページで解説しています。補助金については、フィットネスで使える制度や採択の現実を ジム開業で使える補助金・助成金 にまとめました。補助金は設備の主財源にはせず、融資を主軸に据えたうえで上乗せに使うのが基本です。

資金計画を立てている机。数字の並んだ表と電卓、ペン、ノートが置かれ、奥にトレーニング器具が見える
創業計画書には、必要な資金の内訳と、事業の見通しを書く欄があります。会員数と月次収支を、数字で説明できる状態にしてから窓口に行きます。写真はイメージです。

公庫の創業融資は、どういう条件か

創業期の借入先として代表的なのが、日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金です。条件を並べると、ジムの立ち上げと噛み合う点が見えます。なお先の調査の67.9%は「金融機関等からの借り入れ」全体の割合で、公庫単独の比率ではありません。

日本政策金融公庫 新規開業・スタートアップ支援資金の主な条件
項目 内容
利用できる人 新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方(適正な事業計画を策定し、遂行する能力が十分あると認められる方に限られます)
使いみち 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金・運転資金
融資限度額 7,200万円
返済期間 設備資金は20年以内、運転資金は10年以内
据置期間 いずれも5年以内
利率 基準利率。女性の方、35歳未満または55歳以上の方などは特別利率の対象になります
担保・保証人 希望を聞いたうえで相談。経営者保証免除特例制度などの併用も可能です

ジムの開業で効いてくるのは据置期間です。据置とは、元金の返済を待ってもらい、利息だけを払う期間のこと。会員がゼロから積み上がる立ち上げ期に、元金の返済が乗ってこないという意味になります。

据置を使わない場合 開業直後から元金+利息 据置を使う場合 利息のみ 元金+利息 左端が開業時。据置期間の長さは審査で決まり、上限まで使えるとは限りません。 利息は据置中も払います。総支払額が減るわけではありません。
図: 据置期間の考え方。据置は返済を免除するものではなく、元金の開始を後ろにずらすだけです。その分だけ返済期間の後半が重くなります。実際に何年据え置けるかは審査によります。

ジムは、内装とマシンに先に払って、会員は後から積み上がる商売です。支出と収入の時間差が最も大きい時期を、据置で越えられるかどうかが立ち上げを左右します。運転資金を厚めに持つのと同じ効果を、借入の側から作れると考えてください。

ただし据置を使うほど、期間の後半の返済は重くなります。返済期間そのものを延ばさずに据え置いた場合、元金を返す月数が減るぶん1回あたりの元金が増えるからです。据置が明ける時点で、その返済に耐える会員数に達しているかを先に計算しておく必要があります。条件は制度改正で変わるため、申し込みの前に公庫の公式ページと窓口で最新を確認してください。

業態決定から発注までの段取り|支出の前に資金の裏付けを取る

同じ資金計画でも、進める順番を間違えると立ち上げでつまずきます。気持ちが先走って物件を契約したりマシンを発注してから資金を探すと、融資が間に合わず手付けや前家賃だけが出ていきます。次の順番で進めると、資金の裏付けを取ってから支出するかたちになり、無理がありません。

  1. 1

    業態を決める

    業態が違えば必要な資金の桁も変わります。先に業態を固めないと、必要額も調達計画も組み立てられません。

  2. 2

    自己資金を確定する

    今いくら出せるかを正直に確定します。ここが調達計画と借入額の出発点になります。

  3. 3

    創業計画書をつくる

    想定会員数・収支・回収の見通しを書面化します。数字の出どころを自分で説明できる状態にしておきます。

  4. 4

    融資の内定を取る

    物件契約や発注の前に融資のめどを立てます。先に発注してしまうと、資金が間に合わず手付けや前家賃だけが出ていきます。

  5. 5

    物件契約・設備を発注する

    資金のめどがついてから、物件・内装・マシンを順に発注します。

各業態に固有の発注リスク(マシンの納期、内装の工期など)は、自分の業態の開業資金ページで具体的に確認してください。業態一覧から該当の業態を選べます。

新規開業の資金実態(公的調査)

日本政策金融公庫「2025年度 新規開業実態調査」(公表2025年12月)。調査の対象は、2024年4月から9月に公庫が融資した企業のうち、融資時点で開業後1年以内だった8,517社(不動産賃貸業を除く全業種)で、有効回答は2,165社(回収率25.4%)です。公庫から借りずに開業した人は含まれておらず、フィットネスに限った数字でもありません。新規開業一般の代表値としてではなく、公庫を使って開業した人たちの姿として読んでください。

開業費用 平均
975万円
少額化の傾向
開業費用 中央値
600万円
回答の半数はこれ以下
資金調達額 平均
1,219万円
開業時の調達総額

資金調達の内訳(平均)

調達総額 平均1,219万円の内訳。バーは平均額(万円)です。

金融機関等からの借り入れ
827万円(67.9%)
自己資金
279万円(22.9%)
配偶者・親・兄弟・親戚
53万円
友人・知人等
41万円
その他
19万円

開業費用は平均975万円ですが、平均は金額の大きい開業に引き上げられます。多くの開業がどのあたりかを見るなら、中央値の600万円のほうを基準に置いてください。資金の出どころは金融機関等からの借り入れが平均827万円(67.9%)で最も大きく、自己資金は平均279万円(22.9%)。両者で調達額の約9割を占めます。ここでの2割強は、公庫から融資を受けて開業した企業の実績平均であって、審査に必要な自己資金額ではありません。何割あれば通るという基準は公表されていません。それでも自己資金が厚いほど借入が減り、毎月の返済に余裕が生まれます。採否と条件は審査によります。フィットネスは業態で費用の桁が変わる(自宅・マット中心の数十万円〜フランチャイズの数千万円)ため、上の業態別レンジとあわせて、自分の業態の水準で資金計画を立てます。

日本政策金融公庫「2025年度(令和7年度)新規開業実態調査」(2024年4月から9月に公庫が融資した企業のうち、融資時点で開業後1年以内だった8,517社が対象・有効回答2,165社/回収率25.4%、不動産賃貸業を除く全業種)。借り入れ・自己資金の割合は資金調達額の合計に占める公式値です。フィットネス業限定の数値ではないため、業態固有の費用は上の業態別レンジを基準にしてください。出典: 日本政策金融公庫/取得日 2026年6月8日。

監修者 山本 貴大

監修者の視点

公庫の融資先の調査では、自己資金は調達額の2割強が実績平均です。審査基準ではありませんが、薄いと返済が重くなって運営が苦しくなります。借りられる額より、返しながら回る額で組むこと。設備はリースで現金を温存し、運転資金を厚く残すのが、立ち上げを生き残らせる王道です。

よくある質問

ジムの開業資金は最低いくらから始められますか?
自宅やレンタルスタジオでマット中心に始める形態なら、数十万円から開業できます。一方、マシンを揃えるパーソナルジムで数百万円、24時間ジムやフランチャイズでは数千万円規模になります。どの業態を選ぶかで最低ラインは大きく変わります。
開業資金は自己資金がいくら必要ですか?
制度上の下限は決まっていません。実態としては、日本政策金融公庫の調査で自己資金が資金調達額の22.9%(平均279万円)を占めています。ただしこれは公庫から融資を受けて開業した企業の平均であって、審査に必要な最低額ではありません。この2割強は、あくまで先に開業した人たちの実績です。自己資金が薄いと、その分だけ借入が増えて毎月の返済が重くなります。採否と条件は審査によって決まります。
新規開業の平均的な費用はどのくらいですか?
日本政策金融公庫の2025年度新規開業実態調査では、開業費用の平均は975万円、中央値は600万円でした。平均は金額の大きい開業に引き上げられるため、多くの開業がどのあたりかを見るなら中央値の600万円が参考になります。資金調達額は平均1,219万円で、その67.9%が金融機関等からの借り入れ、22.9%が自己資金でした。ただしこの調査は、2024年4月から9月に公庫が融資した企業のうち、融資時点で開業後1年以内だった8,517社(不動産賃貸業を除く全業種)を対象にした郵送調査で、有効回答は2,165社です。公庫から借りずに開業した人は含まれず、フィットネスに限った数字でもありません。業態別では数十万円〜数千万円と幅があります。
ジム開業に補助金は使えますか?
小規模事業者持続化補助金などを、広告費や一部の設備費に活用できる場合があります。ただし採択は保証されず、原則は後払い(精算払い)です。補助金だけを当てにせず、融資を主軸に据えて資金繰りを組むのが安全です。対象者・対象経費・補助率は年度と受付回ごとに変わるため、応募の前に持続化補助金(一般型)事務局が出す公募要領そのものを確認してください。制度の横断的な一覧はミラサポplusで探せます。
開業資金は何年で回収できますか?
業態と初期投資の大きさで変わります。当サイトの業態別モデル(初期投資と想定利益から試算した目安)では、少資本の個人開業で1〜3年、マシンを揃えるスタジオで2〜5年、24時間ジムや大型施設では3年以上を見込みます。実際の回収年数は会員数の立ち上がりと固定費で動くため、資金計画の段階で自分の商圏の想定会員数と利益率から試算しておきます。

データ出典・注記

  • 開業資金レンジは、業界誌 Fitness Business・各社公開情報・公的統計をもとに 2026年5月時点で集約した業界目安です。立地・坪数・設備で大きく変動します
  • FC加盟を含む業態は加盟金・本部条件で総額が変わります。特定本部の数値は扱いません。各本部の公式加盟資料で確認してください
  • 新規開業の資金実態(開業費用・資金調達内訳)は、日本政策金融公庫「2025年度(令和7年度)新規開業実態調査」(公表2025年12月・融資時点で開業後1年以内だった企業から回答2,165社)の全業種データです。フィットネス業限定ではなく、業態固有の費用は上の業態別レンジを基準にしてください
  • 創業融資の条件(融資限度額7,200万円、返済期間は設備資金20年以内・運転資金10年以内、据置期間はいずれも5年以内、利率は基準利率)は、日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」の公式ページによります(2026年9月7日確認)。制度改正で変わるため、申し込みの前に必ず公式と窓口で最新をご確認ください。採否と適用利率は審査によります