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PILATES / STARTUP COST

ピラティス開業資金は約1,200万円|マシン/マット別の内訳と調達法

ピラティスの開業資金は、リフォーマーを何台そろえるかで桁が変わります。マシンを揃えた専用スタジオは標準で約1,225万円、マットとレンタルスタジオで始めるマット型なら100〜500万円が目安です。総額の主役は飲食店の厨房やジムのトレーニングマシンではなく、1台60〜100万円のリフォーマーそのもの。これを新品・中古・リースのどれで何台持つかで、総額もその後の返済負担も変わります。内訳と調達の組み方を順に見ていきます。

マシン型 標準
約1,225万円
マット型
100〜500万円
最大費目
リフォーマー
自己資金目安
約3割

監修: 山本貴大(店舗マーケティング専門家) / 公開日: 2026年6月2日 / 数値はモデルケース・目安

マシン型とマット型で総額が10倍ひらく理由

ピラティスの開業資金がマシン型で約1,225万円、マット型で100万円台、自宅型で30万円台と10倍以上ひらくのは、立地や坪数の差というより、リフォーマーをどう持つかの差です。リフォーマーは1台60〜100万円と単価が高く、専用スタジオで6台そろえれば、それだけで480万円前後と総額の4割近くを占めます。さらに重量のあるマシンを並べるため床補強や防音が内装費に乗り、マシンと内装の2費目で初期費用の6割以上になります。

逆に言えば、総額を動かすレバーもマシンに集中します。台数を6台から3台に絞る、新品をすべて中古やリースに置き換える、そもそもマットで始めてマシンを後から入れる。この3つで、同じ「ピラティス開業」でも総額は数百万円から1,000万円超まで自由に設計できます。だからこの記事では、内訳を眺める前に「リフォーマーをどう調達するか」を中心に据えます。

資金の大きさは、そのまま投資回収までの期間に効いてきます。借入が大きいほど月々の返済が固定費に乗り、損益分岐に必要な会員数が増えるためです。営業形態ごとの資金と客単価の違いは ピラティス開業の全体像 で並べて確認できます。

マシン型の開業資金 内訳(標準モデル)

18坪・準都心・リフォーマー6台を新品で揃えた場合の目安。物件と仕様で実数は変動します。

物件取得費 保証金・礼金・仲介手数料(家賃の8〜10か月)
¥1,200,000
内装工事 床補強・鏡・更衣室・空調・簡易防音
¥3,500,000
マシン(リフォーマー等) リフォーマー6台+プロップス、1台60〜100万円
¥4,800,000
什器・備品 受付・収納・タオル・小物
¥500,000
予約・決済SaaS 会員管理・予約・キャッシュレス決済の初期
¥150,000
開業前広告 Web広告・MEO・Instagram運用・内覧会
¥600,000
運転資金 黒字化までの家賃・人件費の手元資金
¥1,500,000
開業資金 合計
¥12,250,000

マシンと内装の2費目で初期費用の6割以上を占めます。内装が膨らむのは、リフォーマーが重量物で床荷重に耐える補強が要り、鏡や更衣室、近隣に配慮した簡易防音まで一から造作するためです。運転資金は黒字化までの数か月を支える手元資金で、ここを削りすぎると、マシンの代金は払えても日々の家賃と人件費で資金繰りが先に行き詰まります。

リフォーマーをどう調達するか|新品・中古・リースの天秤

最大費目のリフォーマーは、新品をフルでそろえる以外にも選べます。多くの記事は「リフォーマー6台で約480万円」と総額だけを示しますが、開業者にとって本当に効くのは、その480万円を開業初日に現金で払うのか、中古で半分に圧縮するのか、リースで月々に分けるのか、という資金の出し方の違いです。現金支出と総支払いは逆方向に動くため、手元資金とのバランスで決めます。

調達方法 開業時の現金支出 総支払い 向く場面・注意点
新品で揃える 大(6台で480万円前後) 総支払いは最小 状態と保証が確実で、長く使う前提なら1台あたりは割安。最初の現金支出が一番重い
中古を混ぜる 小〜中(1台30〜60万円) 状態と年式で変動 流通が増え選びやすい。年式・稼働歴・スプリングやレールの整備履歴を必ず確認する
リース・割賦 小(頭金+月額) 割高(金利・手数料分) 開業時の手元現金を温存できる反面、月額が固定費に乗り、損益分岐の会員数を押し上げる

台数も固定で考えないほうが資金は楽になります。開業初日にリフォーマーをフルの6台そろえると、稼働していない時間帯のマシンにも代金を払っていることになります。まずは予約の入りやすい時間に合わせて3〜4台から始め、満枠が続くようになってから増台すれば、最初の現金支出を抑えつつ、稼働率の高い状態でマシンを増やせます。グループ中心かプライベート中心かでも必要台数は変わるため、レッスン設計と台数はセットで決めます。

リースや割賦は手元現金を温存できますが、月々の支払いは家賃と同じく固定費に乗り、損益分岐に必要な会員数を押し上げます。中古は現金支出を大きく削れる一方、スプリングやレールといった可動部の整備状態が安全に直結するため、年式と稼働歴の確認が欠かせません。「新品で長く使う前提か」「手元現金を残したいか」「台数を絞って稼働率で勝負するか」のどれを優先するかで、最適な組み合わせが見えてきます。

マット型から段階開業で総額を後ろ倒しにする

マシン型1,225万円とマット型100万円台の10倍差は、最初から埋める必要はありません。最大費目のリフォーマーを開業初日に積まず、マットで会員を育ててから導入すれば、同じ着地点に総額を後ろ倒しで近づけられます。マシンの代金を、売上が立つ前ではなく立った後に払う設計です。

  1. STAGE 1

    マット+レンタルで始める

    リフォーマーを持たず、マットとレンタルスタジオの併用から始めます。最大費目のマシンを開業初日に積まないことで、初期投資を100万円台に抑えられます。自宅の一室を使う形なら30万円台からです。

  2. STAGE 2

    グループレッスンで会員を育てる

    マットのグループレッスンで指名と継続会員を積み上げ、稼働の見込みを数字で確かめます。ここで「マシンを入れたら何枠埋まるか」を実会員の動きから読めるようにします。

  3. STAGE 3

    リフォーマーを必要台数だけ導入

    会員数の見込みが立ってから、まずは2〜3台を中古やリースで導入し、稼働率を見ながら増台します。マシン型約1,225万円の投資を、売上が育った後に分割して積む形に置き換えられます。

居抜きの活用も総額を下げます。ヨガ・整体・サロンの居抜きなら床や鏡、更衣スペースを引き継げますが、リフォーマーを並べる以上は床荷重に耐えるかの確認が前提になります。少資本で始めて収支を確かめる進め方は 自宅・マットでの少資本開業 にまとめています。

資金調達の方法

自己資金(目安は3割)

開業資金の3割程度が一つの目安です。マシン型約1,225万円なら370万円前後。マシン型は借入額が大きくなるぶん、創業融資の審査で自己資金の比率が見られやすく、全額借入の前提は立てにくいのが実態です。

日本政策金融公庫の創業融資

新規開業資金などの制度があり、女性・若者・シニアの起業を後押しする融資枠も用意されています。リフォーマーの調達は借入の中心になるため、何台をどの方法で揃えるかと運転資金まで含めた創業計画書・収支計画の精度が、審査に直結します。

補助金・助成金

小規模事業者持続化補助金など、広告費や販路開拓に使える制度があります。一方でリフォーマー本体のような設備費は、制度や公募回によって対象外になりやすいため、何に使えるかを公募要領で見極めることが大切です。創業段階で使える制度は診断で確認できます。

創業融資・補助金の使い方は 資金・補助金ガイド に、ピラティスで使える制度の具体は 開業で使える補助金・助成金 にまとめています。

資金調達の手段|性質と向く費目の早見表

開業資金は1つの手段で賄うものではなく、性質の違う調達を組み合わせます。返済不要の自己資金を土台に、高額のリフォーマーは融資やリース、広告やITツールは補助金、と費目に応じて使い分けます。

手段 性質 向く費目 注意点
自己資金 返済不要 マシン・内装を含め費目を問わず充当できる 借入比重が大きいマシン型では、自己資金の厚みが審査の説得力に効く
公庫の創業融資 借入(返済あり) リフォーマー・内装・運転資金の主軸 台数と運転資金を含めた創業計画書・収支計画の精度が審査に効く
民間金融機関・制度融資 借入(返済あり) 高額・公庫で足りない分の協調 信用保証協会付きが多い。マシン型の高額調達で公庫と併用
補助金(小規模事業者持続化補助金など) 原則後払い・対象経費限定 広告・販路開拓・ITツール リフォーマー本体は対象になりにくい。採択前提にしない
リース・割賦 分割払い リフォーマー等のマシンの現金支出を平準化 総額は割高。月々の支払いが固定費に乗る

補助金は原則として後払いで、対象経費も限られます。マシン費の大半は融資と自己資金で賄う前提で計画を組み、補助金は広告やITツールに使えれば上乗せ、と考えると資金繰りが安定します。制度の詳細は補助金・助成金のページで確認できます。

自己資金別の資金プラン|形態と借入から逆算する

マシン型かマット型かで総額が10倍以上変わるため、用意できる自己資金から狙える形を逆算すると現実的です。公庫の開業者の自己資金は平均で約2割とされ、リフォーマーを多く持つマシン型ほど借入の比重が大きくなります。

自己資金 必要な借入の目安 現実的な開業の形
100万円 0〜400万円 マット+レンタル併用の段階開業(100〜500万円)。自宅型なら30万円台〜、リフォーマーは後から導入
370万円 約855万円 マシン型標準(リフォーマー6台・専用スタジオ)1,225万円規模。借入の比重が最も大きい
500万円〜 約700〜900万円 好立地・内装にこだわるマシン型スタジオ。床補強・防音まで作り込む形

借入は返済として固定費に乗り、損益分岐の会員数を押し上げます。自己資金が薄いうちは、リフォーマーを中古やリースに寄せて現金支出を抑えるか、マット型で実績を作ってからマシンを導入する段階開業を選ぶと、初期の借入を抑えられます。

資金調達の手順|申込から融資実行まで

マシン型で創業融資を使う場合、思い立ってすぐ下りるものではありません。形態とリフォーマーの台数を決めて総額を固め、自己資金を確認し、創業計画書を作って面談に臨む流れで、発注の順番を間違えないことが大切です。

  1. STEP 1

    マシン型かマット型かを決める

    リフォーマーを揃えるマシン型か、マット+レンタルの段階開業かで総額が10倍以上変わります。形態とリフォーマーの台数の上限を先に決め、収支モデルと創業計画書の土台を作ります。

  2. STEP 2

    自己資金と不足額を確定する

    マット型は自己資金だけで始めやすい形です。マシン型は公庫の開業者の自己資金平均(約2割)を踏まえ、2〜3割を用意して残りを借入で組みます。借入が大きいほど返済が固定費に乗る点を織り込みます。

  3. STEP 3

    公庫へ相談・創業計画書を作成

    日本政策金融公庫の創業融資窓口へ相談し、創業計画書と収支計画を提出します。リフォーマーを何台・どの調達方法で揃えるか、運転資金まで含めて見積もります。

  4. STEP 4

    面談・審査(申込から約1か月)

    面談を経て審査され、融資実行まで申込からおおむね1か月程度が一つの目安です(時期・案件で前後します)。

  5. STEP 5

    マシン・内装の発注は融資の見込みが立ってから

    リフォーマーと内装の発注は、融資の見込みが立ってから動きます。マシンは納期もかかるため、先に発注すると実行前に高額の支払いが発生して詰まります。

開業前に資金計画へ入れておく費目|養成資格と準備

物件・内装・マシンの内訳には現れにくいものの、ピラティス開業では開業前に動き出す費目があります。とくにマシン型は、指導するための資格や開業前の集客準備が、リフォーマーを発注するよりも前から必要になります。ここを見落とすと、開業直前に想定外の支出が重なります。

マシン系指導資格の取得費

マシンピラティスを教えるには、リフォーマー等を扱う養成課程(BASIやSTOTTなどのマシン系コース)を修了しておくのが一般的です。受講料は数十万円規模になることが多く、開業前の自己投資として資金計画に織り込みます。どの資格をどの順で取るかは資格・養成のページで整理しています。

ホームページ・予約導線の制作費

体験予約とブランドの起点になるホームページや予約ページの制作費は、広告費とは別に独立した費目として見ておきます。開業前から検索やSNSで見つけてもらう導線がないと、内覧会や広告の効果が会員登録につながりにくくなります。

創業計画書・収支モデルの作り込み

マシン型は借入額が大きいぶん、収支計画の精度がそのまま審査の説得力になります。リフォーマーの稼働率、グループとプライベートの単価構成、損益分岐に届く会員数を数字で説明できる状態にしてから融資に臨みます。

資格の取り方とどのコースを選ぶかは ピラティス開業に必要な資格 に、開業準備の全体像は ピラティス開業の全体像 にまとめています。

資金繰りでつまずく4つの失敗

開業資金の計算が合っていても、お金の動く順番を読み違えると資金繰りで詰まります。マシン型ほど一度の支出が大きいぶん影響も大きいため、着手前に当てはまるものがないか確認してください。

  • リフォーマーを最初からフル台数そろえる

    最大費目のマシンを開業初日にフル装備すると総額が跳ね上がります。台数を絞って稼働率を上げ、会員増に応じて増台する段階開業も選べます。

  • 会員がつく前に好立地の専用スタジオを借りる

    マット+レンタルで会員を育てる前に専用スタジオを構えると、家賃が固定費として先に重くのしかかります。マシンと家賃が同時に積み上がると立ち上げ期が苦しくなります。

  • 初期費用に全資金を入れて運転資金ゼロ

    開業初月から黒字になることはまれです。運転資金を残さないと、マシンの代金は払えても日々の家賃と人件費で資金繰りが先に止まります。

  • 補助金やリースでマシン費を全部賄うつもりでいる

    リフォーマー本体は補助金の対象になりにくく、リースも総額は割高です。マシン費の大半は自己資金と融資で賄う前提で組まないと、入金前に行き詰まります。

FC加盟と個人開業の資金差

ここまでの内訳は個人開業を前提にしています。フランチャイズに加盟する場合は、加盟金・研修費・保証金などが別途必要になり、初期費用は個人開業より高くなる傾向があります。マシン型FCでは総額1,000〜3,500万円が目安です。リフォーマーを本部経由で一括導入する分、調達の自由度は下がる一方、ブランドと集客の後ろ盾が得られます。金額は本部により大きく異なるため、具体的な条件は各社の最新募集要項でご確認ください。

加盟金・ロイヤリティの考え方と直営との違いは ピラティスフランチャイズの比較 で整理しています。開業後のオーナー手取りは スタジオオーナーの年収 を参照してください。

よくある質問

Q. ピラティスの開業資金はいくら必要ですか?
マシン型は標準モデルで約1,225万円、マット型なら100〜500万円が目安です。リフォーマーを6台前後そろえる専用スタジオはマシンと内装で費用が膨らみ、マットとレンタルスタジオ併用なら少資本で始められます。自宅から始める形だと30万円台まで下げられます。
Q. 開業資金で一番大きいのは何ですか?
マシン型ではマシン(リフォーマー等)です。標準モデルではマシンが約480万円、内装が約350万円で、この2費目で初期費用の6割以上を占めます。とりわけリフォーマーは1台60〜100万円と単価が高いため、何台を新品・中古・リースのどれで揃えるかが総額を大きく左右します。
Q. マット型ならいくらで始められますか?
マットとレンタルスタジオの併用なら100〜500万円、自宅の一室を使う形なら30〜100万円が目安です。リフォーマーを持たない分だけ初期投資が軽く、グループレッスンで会員を育ててからマシンを導入する段階開業に向いています。少資本ルートの進め方は自宅開業の記事で確認できます。
Q. 中古のリフォーマーで始めても大丈夫ですか?
中古市場は広がっており、現金支出を抑える有力な選択肢です。ただし年式・稼働歴と、スプリングやレール、フットバーなど可動部の整備状態は安全に直結するため、購入前に必ず確認します。台数を絞って中古で始め、稼働率が上がってから新品を増やす組み方が、品質と資金の両立として現実的です。
Q. 自己資金はいくら用意すればいいですか?
開業資金の3割程度が一つの目安です。マシン型の標準モデル約1,225万円なら、自己資金は370万円前後になります。マシン型は借入の比重が大きくなるため、日本政策金融公庫の創業融資でも自己資金の比率は審査で見られます。不足分を借入で補う前提でも、ある程度は用意しておくほうが有利です。
Q. 補助金や融資で調達できますか?
日本政策金融公庫の新規開業資金で、自己資金と合わせて不足分を借り入れる形が一般的です。補助金は小規模事業者持続化補助金などが広告費や販路開拓に使えますが、リフォーマー本体は制度・公募回により対象外になりやすい点に注意が必要です。使える制度は補助金の記事と診断で確認できます。

データ出典・注記

  • 開業資金の内訳は、経済産業省「特定サービス産業実態調査」、業界誌 Fitness Business の公開データと、一般的な出店事例を 2026年5月時点で集約した業界目安です
  • 標準モデルは18坪・準都心・リフォーマー6台を新品で揃えた前提で、物件条件・内装仕様・マシン構成(台数・新品/中古/リース)で実数は変動します
  • 自己資金の比率は、日本政策金融公庫「新規開業実態調査」(融資先・全業種の参考値、開業者の自己資金は調達額の約2割)を踏まえた目安です。フィットネス業限定の数値ではありません
  • 融資・補助金の制度内容と条件は、日本政策金融公庫および各制度の公式情報をご確認ください。本記事は制度の概要を示すもので、採択・融資を保証するものではありません
  • FC加盟金・保証金は本部により大きく異なります。具体的な金額は各FC本部の最新資料でご確認ください